読書をすると成績が上がるのか
8月21日、河北新報のデスク日誌に
子どもを本好きにすれば子育ての半分は成功と聞いたことがある。
という一文がありました。
なんだか説得力のある言葉です。
この言葉について考えてみました。
まず、子育てにとって成功とは何か、と言う問題があります。
これは難問です。
答がない、あるいは、人の数だけ答はある、といったところでしょう。
では、少しテーマをずらして「本が好きな子供の成績はよい」とは言えるのでしょうか。
読書と学力の相関関係
平成29年度全国学力テストによると本好きと高学力には相関関係があるようです。保護者が子供に対して「本や新聞を読むようにすすめ」たり、「子供が小さいころ絵本の読み聞かせをし」ていたりすると、子供の学力は高い傾向がある、という分析結果がでていました。
平成21年度の静岡大学の調査では「読書好きな子供ほど教科の学力は高いという非常に強固な傾向があった」と結論づけています。この調査でもう一つ興味深いのは「長時間読書するからといって、必ずしも学力は高くない」という結果です。さらに、「勉強時間と読書時間の合計が同じであれば、すべてを勉強に費やすより、ある程度読書をした方が、教科の学力が高い」ことも示されています。
読書と学力の因果関係
読書と学力に相関関係があるのは確かなようですが、それだけでは、「読書をするから学力が上がった」のか、「もともと学力のある子が読書をするようになる」のか、は分かりません。
さらに踏み込んだ因果関係については、テキサス大学がフィリピンの小学校で行った調査があります。小学生を2つのグループに分けて、一方のグループにだけ読書マラソンや朗読、単語ゲームなどを行ったところ、そのあとの国語のテストで読書をしたグループの偏差値が高くなった、ということです。
以上のように統計的に読書と学力には因果関係があるようです。
蛇足
ドラえもん第3巻ではのび太が夢中になって「シャーロックホームズ」を読みながら下校していて、第8巻では「透明人間」を友達から何とかして借りようとする場面があります。1974年から1975年の連載です。しかし1977年第13巻になると欲しがるものは本からマンガに変わります。昔はのび太でさえ本を読んでいたんですね。
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